土岐市・瑞浪市「らせるくらぶ®」| 2011年6月号掲載

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下水処理場のイメージを払拭!

ホタルが舞う土岐市浄化センター

国道19号線を多治見方面に走行していると、土岐市に架かる土岐大橋の先左側に大きな看板が目に飛び込んでくる。夜間はライトアップされ、遠くからでも目立つ。そこには「ホタルを呼び戻す下水道」とある。看板が設置されているのは土岐市浄化センター、下水処理場だ。毎年6月に入ると、敷地内ではホタルが飛び交う姿が見られる。

■下水処理水を用いた
ホタルの人工飼育に成功
 昭和60年に併用開始された土岐市浄化センター。快適な都市生活環境の確保と、市街地中央部を流れる土岐市の水質保全を目的に、昭和45年より事業が着手されるが、臭くて汚いという下水処理場のイメージが先行し、建設反対運動がおこった。そのため、同センターの建設に当たっては、そんな下水処理場のイメージを一掃すべく、さまざまな施策が行われた。<br /> 下水処理施設は地下に置かれ、すべて建物で覆うという構造になっている。その建物は地元産のタイルを使った総タイル張りで、建物周囲に配した植栽も美しい。周辺環境との調和を優先しており、外観からはとてもここが下水処理場であることを窺い知ることはできない。<br /> 下水処理水を使ったホタルの人工飼育の取り組みは、こうした下水処理場のイメージアップの一環として平成4年から始まった。ホタルの持つ「清流」のイメージから、良好な水環境の保全に役立っていることを広く市民に知らしめる狙いもあった。平成6年、センター内に人工水路が建設され、ホタルの飼育も本格化する。平成7年には「ホタル観賞会」を開催。以後、毎年6月中旬の2日間だけ行っている観賞会だが、例年1500人以上が訪れる。<br /> 「ホタルを楽しみに来場していただくことが、当浄化センターについて関心を持ってもらう一つのきっかけになればと思っています」と村山所長。平成18年には、ホタルを通して水環境を守ることの大切さを伝える活動などが評価され、第15回いきいき下水道賞下水道普及啓発活動部門において国土交通大臣賞を受賞した。また、ホタルの飼育と並行して、市内のホタル保護活動の支援も行っており、「環境保全都市宣言をした土岐市らしく、ホタルが飛び交う自然豊かなまちづくりに努めていきます」と村山所長は話している。

ホタルの上陸風景。サナギになるために水中からはい上がってくるが、このときにも薄緑色の光を放つ

 土岐市浄化センター3階にある一室には、ゲンジホタルの幼虫を飼育する水槽が並ぶ。1階入り口左手の部屋にも同様の飼育水槽が置かれており、その数は合計90となる。水槽には下水処理水が張ってあり、隣室の産卵箱で孵化した1令幼虫を各水槽当たり300匹ずつ投入する。同センターでは現在、2万7000匹ものホタルの幼虫を飼育しているのだ。
 ここでゲンジホタルの一生を簡単に紹介しておこう。産卵は6月中旬から下旬にかけて行われ、1匹のメスが約500個の卵を産む。約4週間で孵化が始まり、幼虫は翌年の4月頃までに5、6回の脱皮を繰り返して成長していく。1回目の脱皮(1令)時には約2ミリ程度の体長であったのが、最終令では30~40ミリほどまでに育つ。終令幼虫は水中から上陸し、土の中にもぐりサナギとなる。6月中旬頃から羽化を始め、土から出て光を発しながら空を舞う。そして、交尾をして産卵をする、というサイクルである。なかには1年で成虫にならず、2年あるいは3年かかるものもいるという。
 ホタルは、自然界では卵から成虫になるまでの生存率が非常に低い。しかし人工飼育を行っている同センターでは、飼育水槽の2万7000匹の内約5000匹が終令幼虫まで育つ。その後、施設内の水路(下水処理水を循環させている人口の水路)に放流して羽化を待つのだが、現在は約500匹が羽化している。所長の村山昇さんによれば、平成13年(当時の幼虫飼育数は4万匹)には約1500匹のホタルが羽化したことも。「下水処理水を用いたゲンジホタルの人工飼育に取り組み始めた頃は、いろいろと苦労もありました。また、水槽の水や幼虫のエサになるカワニナ(淡水生巻貝)の管理など、日々手間がかかります。それでも近年は生存率も安定してきており、下水処理水でもホタルの飼育が可能であることを実証することができました」と村山さんはうれしそうに話す。同センターでは、ホタルが乱舞する幻想的な光景を市民にも楽しんでもらおうと、毎年「ホタル観賞会」を開いている。
■水環境保全のための施設と
ホタルの飼育でPR
 昭和60年に併用開始された土岐市浄化センター。快適な都市生活環境の確保と、市街地中央部を流れる土岐市の水質保全を目的に、昭和45年より事業が着手されるが、臭くて汚いという下水処理場のイメージが先行し、建設反対運動がおこった。そのため、同センターの建設に当たっては、そんな下水処理場のイメージを一掃すべく、さまざまな施策が行われた。<br /> 下水処理施設は地下に置かれ、すべて建物で覆うという構造になっている。その建物は地元産のタイルを使った総タイル張りで、建物周囲に配した植栽も美しい。周辺環境との調和を優先しており、外観からはとてもここが下水処理場であることを窺い知ることはできない。<br /> 下水処理水を使ったホタルの人工飼育の取り組みは、こうした下水処理場のイメージアップの一環として平成4年から始まった。ホタルの持つ「清流」のイメージから、良好な水環境の保全に役立っていることを広く市民に知らしめる狙いもあった。平成6年、センター内に人工水路が建設され、ホタルの飼育も本格化する。平成7年には「ホタル観賞会」を開催。以後、毎年6月中旬の2日間だけ行っている観賞会だが、例年1500人以上が訪れる。<br /> 「ホタルを楽しみに来場していただくことが、当浄化センターについて関心を持ってもらう一つのきっかけになればと思っています」と村山所長。平成18年には、ホタルを通して水環境を守ることの大切さを伝える活動などが評価され、第15回いきいき下水道賞下水道普及啓発活動部門において国土交通大臣賞を受賞した。また、ホタルの飼育と並行して、市内のホタル保護活動の支援も行っており、「環境保全都市宣言をした土岐市らしく、ホタルが飛び交う自然豊かなまちづくりに努めていきます」と村山所長は話している。

下水処理水を循環させた人工の水路「せせらぎ水路」。ここに終令幼虫を放流している

 昭和60年に併用開始された土岐市浄化センター。快適な都市生活環境の確保と、市街地中央部を流れる土岐市の水質保全を目的に、昭和45年より事業が着手されるが、臭くて汚いという下水処理場のイメージが先行し、建設反対運動がおこった。そのため、同センターの建設に当たっては、そんな下水処理場のイメージを一掃すべく、さまざまな施策が行われた。
 下水処理施設は地下に置かれ、すべて建物で覆うという構造になっている。その建物は地元産のタイルを使った総タイル張りで、建物周囲に配した植栽も美しい。周辺環境との調和を優先しており、外観からはとてもここが下水処理場であることを窺い知ることはできない。
 下水処理水を使ったホタルの人工飼育の取り組みは、こうした下水処理場のイメージアップの一環として平成4年から始まった。ホタルの持つ「清流」のイメージから、良好な水環境の保全に役立っていることを広く市民に知らしめる狙いもあった。平成6年、センター内に人工水路が建設され、ホタルの飼育も本格化する。平成7年には「ホタル観賞会」を開催。以後、毎年6月中旬の2日間だけ行っている観賞会だが、例年1500人以上が訪れる。
 「ホタルを楽しみに来場していただくことが、当浄化センターについて関心を持ってもらう一つのきっかけになればと思っています」と村山所長。平成18年には、ホタルを通して水環境を守ることの大切さを伝える活動などが評価され、第15回いきいき下水道賞下水道普及啓発活動部門において国土交通大臣賞を受賞した。また、ホタルの飼育と並行して、市内のホタル保護活動の支援も行っており、「環境保全都市宣言をした土岐市らしく、ホタルが飛び交う自然豊かなまちづくりに努めていきます」と村山所長は話している。
■きれいな川のシンボルとしてホタルを放流
伊野川を守る会
 駅前区内にある唯一の自然財産である伊野川をきれいにしようと、区役員を中心に結成された「伊野川を守る会」。平成22年9月設立、現在の会員は25名。子どもの頃、水遊びをしたり小魚をとったりした経験を持つ会員もいて、昔のようなきれいな伊野川を目指し、清掃活動を続けてきた。川底清掃や周辺のゴミ拾いを多い時には月3、4回行っている成果として、小魚やカワセミ、カルガモなどが見られるようになった。<br /> 昨年、上流で放されたホタルの幼虫が羽化したのか、数匹のホタルが観察された。ホタルが舞う川であればきれいにしようという意識が芽生え、ゴミの投げ捨てもなくなるはず。もっと多くのホタルを…と、土岐市浄化センターなどの協力で、今年3月にホタルの幼虫100匹とカワニナを放流した。今夏、どれほどのホタルが飛び交うかはわからないが、今後も継続したいという。もちろん清掃活動は続けるべく、市民にも協力を呼びかけている。<br />

「清掃時には写真の黄色いジャンパーを全員着用する。これもひとつのPRです」と会員の皆さん

 駅前区内にある唯一の自然財産である伊野川をきれいにしようと、区役員を中心に結成された「伊野川を守る会」。平成22年9月設立、現在の会員は25名。子どもの頃、水遊びをしたり小魚をとったりした経験を持つ会員もいて、昔のようなきれいな伊野川を目指し、清掃活動を続けてきた。川底清掃や周辺のゴミ拾いを多い時には月3、4回行っている成果として、小魚やカワセミ、カルガモなどが見られるようになった。
 昨年、上流で放されたホタルの幼虫が羽化したのか、数匹のホタルが観察された。ホタルが舞う川であればきれいにしようという意識が芽生え、ゴミの投げ捨てもなくなるはず。もっと多くのホタルを…と、土岐市浄化センターなどの協力で、今年3月にホタルの幼虫100匹とカワニナを放流した。今夏、どれほどのホタルが飛び交うかはわからないが、今後も継続したいという。もちろん清掃活動は続けるべく、市民にも協力を呼びかけている。

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