鈴鹿市・亀山市「Bellve club®」| 2013年7月号掲載

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鈴鹿市が全国に発信する新野菜

セイロン瓜

くねくねと細長い果実。
ときに蛇のようにとぐろを巻いたり、
湾曲したりするため、
その形状からヘビウリの名を持つ。
鈴鹿市では、そのヘビウリを
新野菜「セイロン瓜」として
全国に向けて発信する
「セイロン瓜プロジェクト」が進められている。

■産学官交流会活動として
プロジェクトを始動
 プロジェクトは事務局を鈴鹿国際大学に置き、JA鈴鹿をはじめ、鈴鹿商工会議所、地元農家、学校関係者、飲食店関係者、主婦などが参加した。理事長には提案者のクマーラ教授が就いた。初年度はヘビウリの周知と日本での栽培方法の確立を目標に、メンバーらが栽培に着手する。名称を「セイロン瓜」に変更し、プロジェクト名も「セイロン瓜プロジェクト」と改めた。<br /> 8月には1メートルを超える長さに育ったセイロン瓜を収穫し、関係者らを招いて試食会を開いた。チャーハン、スープ、カレー、肉詰め、巻き寿司、漬け物など約20種類の料理が並んだ。ゴーヤのような苦みやクセがなく、食感も良くて美味しい、との感想が多く聞かれた。<br /> プロジェクトの経過や成果などをマスコミへ情報提供するのと並行して、地域のイベントなどにも積極的に参加し、プロジェクトの活動をアピール。セイロン瓜入りカレーが開発され、「クマーラカレー」の名で鈴鹿国際大学の学食メニュー(大学祭限定)に加わったことも話題になって、知名度も次第に上がり、関心を持つ人も増えた。<br /> そして2年目となる2012年度は、さらなる普及とレシピ開発に力を注いだ。地域の幼稚園、小中学校23校がセイロン瓜の栽培を始める。JA鈴鹿では栽培方法の指導や苗の販売が行われた。天ぷらやマリネなど、新しいレシピも登場した。<br /> また、セイロン瓜のグリーンカーテン、グリーントンネル作りの実験を実施した。生長が早く、つるが四方八方に伸び広がり、葉も大きくて厚いので、日差しをやわらげる効果も高い。鈴鹿市役所や市内の学校などで、夏のエコ対策に利用された。今年は三重県庁でもセイロン瓜によるグリーンカーテンが予定されているほか、一般家庭にも広がりそうな気配という。

生長すると長さが1メートル以上になる長形のセイロン瓜。障害物などがあると曲がって育ち、蛇のような形状となる。セイロンなどでは実の先端に小石をくくりつけて、まっすぐ育つように工夫しているという。生長が早いので観察するのも楽しく、グリーンカーテン作りを兼ねて、夏休みの自由研究にもおすすめ

 鈴鹿国際大学はSUZUKA産学官交流会に名を連ねているが、文化系大学としてどのような形で参加できるのかを模索していた。そんななか、同大学のアーナンダ・クマーラ教授が母国スリランカで健康野菜として知られるヘビウリを、産学官交流会活動の素材にしようと発案。まずは自宅でヘビウリの試験栽培を始めた。
 ヘビウリ(英名:Snake gourd)はインド原産のウリ科カラスウリ属の蔓性植物である。日本には明治時代末期に渡来したが、広まらなかった。クマーラ教授によれば、ヘビウリは野菜の成分表を紹介した書籍にも掲載がなく、野菜として認識されてこなかったのが現状という。蛇に似ていることも気持ちが悪いと、印象も良くなかった。日本では、主に観賞用として栽培されていた。
 一方で、南・東南アジア諸国においては一般的な野菜であり、良く食べられている。低カロリーなうえ、ミネラルが豊富なため、健康野菜としても人気が高い。スリランカでは病院食としても使われているそうだ。
 2010年8月、クマーラ教授は自宅で実ったヘビウリを鈴鹿商工会議所に持参し、新野菜として普及の可能性を相談するとともに、鈴鹿短期大学にヘビウリ料理の試作を依頼した。9月に開催された鈴鹿短期大学の学園祭では、同じレシピによるヘビウリ料理とニガウリ(ゴーヤ)料理の比較試食会が行われ、ヘビウリを使ったほうが美味しいと評価された。
 こうした一連の流れを経て2011年2月、ヘビウリを鈴鹿の新野菜として全国に発信していこうとする「ヘビウリプロジェクト」が、SUZUKA産学官交流会活動の一環としてスタートした。
■地域と連携しながら
栽培と普及に取り組む
 プロジェクトは事務局を鈴鹿国際大学に置き、JA鈴鹿をはじめ、鈴鹿商工会議所、地元農家、学校関係者、飲食店関係者、主婦などが参加した。理事長には提案者のクマーラ教授が就いた。初年度はヘビウリの周知と日本での栽培方法の確立を目標に、メンバーらが栽培に着手する。名称を「セイロン瓜」に変更し、プロジェクト名も「セイロン瓜プロジェクト」と改めた。<br /> 8月には1メートルを超える長さに育ったセイロン瓜を収穫し、関係者らを招いて試食会を開いた。チャーハン、スープ、カレー、肉詰め、巻き寿司、漬け物など約20種類の料理が並んだ。ゴーヤのような苦みやクセがなく、食感も良くて美味しい、との感想が多く聞かれた。<br /> プロジェクトの経過や成果などをマスコミへ情報提供するのと並行して、地域のイベントなどにも積極的に参加し、プロジェクトの活動をアピール。セイロン瓜入りカレーが開発され、「クマーラカレー」の名で鈴鹿国際大学の学食メニュー(大学祭限定)に加わったことも話題になって、知名度も次第に上がり、関心を持つ人も増えた。<br /> そして2年目となる2012年度は、さらなる普及とレシピ開発に力を注いだ。地域の幼稚園、小中学校23校がセイロン瓜の栽培を始める。JA鈴鹿では栽培方法の指導や苗の販売が行われた。天ぷらやマリネなど、新しいレシピも登場した。<br /> また、セイロン瓜のグリーンカーテン、グリーントンネル作りの実験を実施した。生長が早く、つるが四方八方に伸び広がり、葉も大きくて厚いので、日差しをやわらげる効果も高い。鈴鹿市役所や市内の学校などで、夏のエコ対策に利用された。今年は三重県庁でもセイロン瓜によるグリーンカーテンが予定されているほか、一般家庭にも広がりそうな気配という。

セイロン瓜はカリウムなどの栄養素が豊富で、しかも低カロリー。苦みやクセもなく、生でサラダとして食べられるほか、炒め物やスープなど調理しても美味しい

 プロジェクトは事務局を鈴鹿国際大学に置き、JA鈴鹿をはじめ、鈴鹿商工会議所、地元農家、学校関係者、飲食店関係者、主婦などが参加した。理事長には提案者のクマーラ教授が就いた。初年度はヘビウリの周知と日本での栽培方法の確立を目標に、メンバーらが栽培に着手する。名称を「セイロン瓜」に変更し、プロジェクト名も「セイロン瓜プロジェクト」と改めた。
 8月には1メートルを超える長さに育ったセイロン瓜を収穫し、関係者らを招いて試食会を開いた。チャーハン、スープ、カレー、肉詰め、巻き寿司、漬け物など約20種類の料理が並んだ。ゴーヤのような苦みやクセがなく、食感も良くて美味しい、との感想が多く聞かれた。
 プロジェクトの経過や成果などをマスコミへ情報提供するのと並行して、地域のイベントなどにも積極的に参加し、プロジェクトの活動をアピール。セイロン瓜入りカレーが開発され、「クマーラカレー」の名で鈴鹿国際大学の学食メニュー(大学祭限定)に加わったことも話題になって、知名度も次第に上がり、関心を持つ人も増えた。
 そして2年目となる2012年度は、さらなる普及とレシピ開発に力を注いだ。地域の幼稚園、小中学校23校がセイロン瓜の栽培を始める。JA鈴鹿では栽培方法の指導や苗の販売が行われた。天ぷらやマリネなど、新しいレシピも登場した。
 また、セイロン瓜のグリーンカーテン、グリーントンネル作りの実験を実施した。生長が早く、つるが四方八方に伸び広がり、葉も大きくて厚いので、日差しをやわらげる効果も高い。鈴鹿市役所や市内の学校などで、夏のエコ対策に利用された。今年は三重県庁でもセイロン瓜によるグリーンカーテンが予定されているほか、一般家庭にも広がりそうな気配という。
■新野菜としての定着と
加工商品の開発を目指す
 プロジェクト開始から3年目となる今年、セイロン瓜の苗や種についての問い合わせが多く寄せられている。セイロン瓜の栽培方法などを紹介した『セイロン瓜から学ぼう』を発行したり、プロジェクトのフェイスブック参加者を募集したりするなど、新野菜として地域への浸透と定着化を図ってきたひとつの成果といえる。鈴鹿国際大学でも公開講座を開催したほか、学内のグリーンカーテン、グリーントンネルに「オーナー制度」を設けた。<br /> そんな状況を踏まえ、農商工連携の動きも出てきた。夏季、大量に収穫できるセイロン瓜の通年の活用法として、加工商品の開発が進められている。味噌や豆腐などが試作されたほか、乾燥し粉末状にしての利用も検討されている。<br /> セイロン瓜は実が1メートル以上になる長形の種類だけでなく、30~40センチの短い種類もある。プロジェクトでは両種類を栽培しているが、周知のためにインパクトの大きい、長形を前面に情報提供や苗の販売をしてきた。ただ今後、市場での流通や店頭販売を考えると、短形のセイロン瓜のほうが適しているとのことだ。<br /> プロジェクトのメンバーは「セイロン瓜が健康的な野菜であることをもっと多くの人に知ってもらうとともに、このプロジェクトが地域活性化に繋がっていけるよう頑張っていきたい」と口を揃える。セイロン瓜が当たり前のように店頭に並び、食卓で食べられる日が訪れるのもそう遠くないかもしれない。<br /> 文/長屋整徳 写真/セイロン瓜プロジェクト提供・下貴充

「セイロン瓜プロジェクト」のメンバー。中央が理事長のアーナンダ・クマーラ教授

 プロジェクト開始から3年目となる今年、セイロン瓜の苗や種についての問い合わせが多く寄せられている。セイロン瓜の栽培方法などを紹介した『セイロン瓜から学ぼう』を発行したり、プロジェクトのフェイスブック参加者を募集したりするなど、新野菜として地域への浸透と定着化を図ってきたひとつの成果といえる。鈴鹿国際大学でも公開講座を開催したほか、学内のグリーンカーテン、グリーントンネルに「オーナー制度」を設けた。
 そんな状況を踏まえ、農商工連携の動きも出てきた。夏季、大量に収穫できるセイロン瓜の通年の活用法として、加工商品の開発が進められている。味噌や豆腐などが試作されたほか、乾燥し粉末状にしての利用も検討されている。
 セイロン瓜は実が1メートル以上になる長形の種類だけでなく、30~40センチの短い種類もある。プロジェクトでは両種類を栽培しているが、周知のためにインパクトの大きい、長形を前面に情報提供や苗の販売をしてきた。ただ今後、市場での流通や店頭販売を考えると、短形のセイロン瓜のほうが適しているとのことだ。
 プロジェクトのメンバーは「セイロン瓜が健康的な野菜であることをもっと多くの人に知ってもらうとともに、このプロジェクトが地域活性化に繋がっていけるよう頑張っていきたい」と口を揃える。セイロン瓜が当たり前のように店頭に並び、食卓で食べられる日が訪れるのもそう遠くないかもしれない。
 文/長屋整徳 写真/セイロン瓜プロジェクト提供・下貴充

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