彦根市・米原市一部・多賀町・甲良町ほか「こんきくらぶ®」| 2012年9月号掲載

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116年の歴史を持つ近江鉄道

地域に密着した取り組みを推進

独特の走行音から「がちゃこん電車」の愛称で親しまれている近江鉄道。開業から1世紀あまり、湖東地域の発展に大きく寄与した鉄道は、今日もガチャガチャと音を響かせながら、地域の足として走り続けている。

■存車を改造して運行
近江商人の考えが生きる
 近江鉄道の設立は明治29年(1896)6月16日で、2年後には彦根〜八日市間が開業し、翌年には第2期線として八日市〜貴生川間が着工する。しかし、物価高騰などにより資金繰りは厳しく、当時の「近鉄」という略称をもじって「貧鉄」と揶揄されたこともあったという。<br /> 大正末期には宇治川電気(現関西電力の一部)の傘下に入ったことで、昭和2年に全線の電化と路線の拡大を果たす。戦後は滋賀県の工場誘致もあって、貨物輸送で大いに賑わった。<br /> 現在の近江鉄道は本線(米原駅〜貴生川駅)、八日市線(近江八幡駅〜八日市駅)、多賀線(高宮駅〜多賀大社前駅)の3路線を運行。営業距離は59・5キロ、駅数は33駅で、1日の平均輸送人数は約1万2千人である。西武グループの一員として「でかける人を、ほほえむ人へ」のテーマのもと、より地域に根ざした鉄道を目指している。<br /> 平成16年以降、地元自治体や沿線に立地する企業からの要請を受け、通勤通学の利便性を高めるために、河辺の森駅やフジテック前駅、スクリーン駅などを新設。また、高宮駅や五箇荘駅などの7駅を、地域のコミュニティーハウスを兼ねた駅舎に建て替えた。さらに、観光客の誘致や健康づくり促進に利用してもらおうと「サイクルトレイン」を導入した。<br /> 地域密着の取り組みの一環として、駅前保育園も運営。子育て支援施設の充実を目的としたもので、彦根駅東口近江鉄道ビル1階に昨年オープン。今年6月には、近江鉄道ミュージアム内に留置している電車内部を改造し、園児たちが安全に楽しく遊べる「ほほえみパーク」を開設した。<br /> 「がちゃこんまつり」のほか、「ビア電」「地酒電車」などのイベント列車、沿線の散策にお得なフリー切符や人気アニメ「けいおん!!」のイラスト入り乗車券の発売など、地域活性化に繋がる観光客誘致においても、さまざまな企画を繰り出してきた。<br /> 今夏には八幡山ロープウェーと賤ヶ岳リフトの「夏休み記念アニメ乗車券」を発売中(〜9月9日)。旅する少女をイメージしたイラストがカワイイ、と評判となっている。9月15日から開催される「BIWAKOビエンナーレ2012」では、「アート電車」を運行させるなど連動したイベントを行っていく。<br /> 近江鉄道は沿線住民の足としてだけでなく、地域の歴史や文化、人々の思いを乗せ、まちと人を結ぶ鉄道として、今後も地域社会への貢献にも積極的に取り組んでいくとしている。

近江鉄道彦根工場は彦根駅の貨物ヤード(現近江鉄道ミュージアム)の北に建つ。工場奥では車両の改良が行われている。手前は整備・点検用のブース。近江鉄道の車両は3日に1度、定期点検をしており、安全運行に徹底している

 近江鉄道の主力車両は、800形と820形である。どちらも西武鉄道の車両401系を譲り受け、自社工場で改造した。だれもが気づく改造に面取りがある。車体の裾部分の角が斜めに削り取られているのだ。既存の車体のままではホームなどに接触してしまうので、それを防ぐための手段として行われた。ほかにも、電気指令式ブレーキ化やワンマン化などの改造がされている。
 前面が傾斜しており、大型の展望窓を備えた700形「あかね号」も、その外見からはわからないかもしれないが、800形と同じ西武401系を改造した車両。現在運行している34両のほとんどが、西武鉄道の車両を種車(改造する際に元となる車両)としている。
 車両の改造は、彦根駅構内にある「近江鉄道彦根工場」が担ってきた。地方私鉄が車両の点検や整備に加えて、車両の改造や車体の製作まで手掛ける自社工場を所有していることは珍しい。前述の「あかね号」のような、大規模な改造も試みている。
 その高い技術力は注目に値するが、なぜここまで既存車の改造を続けてきたのだろうか。そこには資金上の理由だけでなく、近江鉄道の創業期にかかわった近江商人ならではの考え方「しまつ」があると思われる。「しまつ」とは単なる節約とは違い、無駄をはぶき、ものの効用を使い切る、長期的経済合理性を説いたものだという。
 湖東地域の振興を掲げて、旧彦根藩士らが発起し、近江商人の資力によって開業した近江鉄道。100年以上の時を経てもなお、当時尽力した人々の思いや精神が息づいているようだ。現在、工場では間もなく登場する900形の改造が進んでいる。
■鉄道の利用促進に向けて
地域密着型の経営を展開
 近江鉄道の設立は明治29年(1896)6月16日で、2年後には彦根〜八日市間が開業し、翌年には第2期線として八日市〜貴生川間が着工する。しかし、物価高騰などにより資金繰りは厳しく、当時の「近鉄」という略称をもじって「貧鉄」と揶揄されたこともあったという。<br /> 大正末期には宇治川電気(現関西電力の一部)の傘下に入ったことで、昭和2年に全線の電化と路線の拡大を果たす。戦後は滋賀県の工場誘致もあって、貨物輸送で大いに賑わった。<br /> 現在の近江鉄道は本線(米原駅〜貴生川駅)、八日市線(近江八幡駅〜八日市駅)、多賀線(高宮駅〜多賀大社前駅)の3路線を運行。営業距離は59・5キロ、駅数は33駅で、1日の平均輸送人数は約1万2千人である。西武グループの一員として「でかける人を、ほほえむ人へ」のテーマのもと、より地域に根ざした鉄道を目指している。<br /> 平成16年以降、地元自治体や沿線に立地する企業からの要請を受け、通勤通学の利便性を高めるために、河辺の森駅やフジテック前駅、スクリーン駅などを新設。また、高宮駅や五箇荘駅などの7駅を、地域のコミュニティーハウスを兼ねた駅舎に建て替えた。さらに、観光客の誘致や健康づくり促進に利用してもらおうと「サイクルトレイン」を導入した。<br /> 地域密着の取り組みの一環として、駅前保育園も運営。子育て支援施設の充実を目的としたもので、彦根駅東口近江鉄道ビル1階に昨年オープン。今年6月には、近江鉄道ミュージアム内に留置している電車内部を改造し、園児たちが安全に楽しく遊べる「ほほえみパーク」を開設した。<br /> 「がちゃこんまつり」のほか、「ビア電」「地酒電車」などのイベント列車、沿線の散策にお得なフリー切符や人気アニメ「けいおん!!」のイラスト入り乗車券の発売など、地域活性化に繋がる観光客誘致においても、さまざまな企画を繰り出してきた。<br /> 今夏には八幡山ロープウェーと賤ヶ岳リフトの「夏休み記念アニメ乗車券」を発売中(〜9月9日)。旅する少女をイメージしたイラストがカワイイ、と評判となっている。9月15日から開催される「BIWAKOビエンナーレ2012」では、「アート電車」を運行させるなど連動したイベントを行っていく。<br /> 近江鉄道は沿線住民の足としてだけでなく、地域の歴史や文化、人々の思いを乗せ、まちと人を結ぶ鉄道として、今後も地域社会への貢献にも積極的に取り組んでいくとしている。

ほほえみパークには、ままごとコーナーや落書きコーナー、吊り輪コーナーなどがあり、床にはころんでも怪我をしないよう、カラフルなウレタンマットが敷かれている

 近江鉄道の設立は明治29年(1896)6月16日で、2年後には彦根〜八日市間が開業し、翌年には第2期線として八日市〜貴生川間が着工する。しかし、物価高騰などにより資金繰りは厳しく、当時の「近鉄」という略称をもじって「貧鉄」と揶揄されたこともあったという。
 大正末期には宇治川電気(現関西電力の一部)の傘下に入ったことで、昭和2年に全線の電化と路線の拡大を果たす。戦後は滋賀県の工場誘致もあって、貨物輸送で大いに賑わった。
 現在の近江鉄道は本線(米原駅〜貴生川駅)、八日市線(近江八幡駅〜八日市駅)、多賀線(高宮駅〜多賀大社前駅)の3路線を運行。営業距離は59・5キロ、駅数は33駅で、1日の平均輸送人数は約1万2千人である。西武グループの一員として「でかける人を、ほほえむ人へ」のテーマのもと、より地域に根ざした鉄道を目指している。
 平成16年以降、地元自治体や沿線に立地する企業からの要請を受け、通勤通学の利便性を高めるために、河辺の森駅やフジテック前駅、スクリーン駅などを新設。また、高宮駅や五箇荘駅などの7駅を、地域のコミュニティーハウスを兼ねた駅舎に建て替えた。さらに、観光客の誘致や健康づくり促進に利用してもらおうと「サイクルトレイン」を導入した。
 地域密着の取り組みの一環として、駅前保育園も運営。子育て支援施設の充実を目的としたもので、彦根駅東口近江鉄道ビル1階に昨年オープン。今年6月には、近江鉄道ミュージアム内に留置している電車内部を改造し、園児たちが安全に楽しく遊べる「ほほえみパーク」を開設した。
 「がちゃこんまつり」のほか、「ビア電」「地酒電車」などのイベント列車、沿線の散策にお得なフリー切符や人気アニメ「けいおん!!」のイラスト入り乗車券の発売など、地域活性化に繋がる観光客誘致においても、さまざまな企画を繰り出してきた。
 今夏には八幡山ロープウェーと賤ヶ岳リフトの「夏休み記念アニメ乗車券」を発売中(〜9月9日)。旅する少女をイメージしたイラストがカワイイ、と評判となっている。9月15日から開催される「BIWAKOビエンナーレ2012」では、「アート電車」を運行させるなど連動したイベントを行っていく。
 近江鉄道は沿線住民の足としてだけでなく、地域の歴史や文化、人々の思いを乗せ、まちと人を結ぶ鉄道として、今後も地域社会への貢献にも積極的に取り組んでいくとしている。

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