尾張旭市・瀬戸市「アサヒトセト®」| 2013年1月号掲載

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全国制覇を目指す地域の星

旭野高等学校ラグビー部

高校ラグビーの聖地・花園に、二度出場している旭野高校ラグビー部。
強豪校として知られ、多くの人から注目される存在だ。
今号は全国制覇を目標に、ひたむきにラグビーと向き合う部員たちの姿を追った。

■花園二度出場を叶えた強豪
新チームで全国へ
 高校ラグビーの試合は1チーム15人で行われるため、今年の旭野高校は必然的に1年生中心のチームになる。例年に比べると2年生の部員数が少なく、他のチームとどうしても体格に差が出てしまうが、キャプテンの筒井響司君は前向きだ。「人数が少ないので昨年以上にチーム一丸となって、体が小さくても走り勝てるチームにしていきます」と意気込みを語る。そのために、「先輩たちが自分たちにしてくれたように、自分を厳しく律して、後輩たちに背中を見せていきたい」とチームを引っ張っていく決意を見せた。<br /> 旭野高校の強みは、抜群のチームワーク。それは22年にわたって、歴代のチームを見てきた橋本英一先生が認める長所だ。仲間が何を求めているのか、自分はどんな動きをすることが効果的なのかを的確に判断し実践することに、旭野高校は長けている。<br /> 練習中、何度かオフェンス陣とディフェンス陣に分かれて話し合う場面が見られた。一つの練習メニューが終わるたびに、「最後のプレーにフォローが足りない」「声が小さくて届いていない」など、学年は関係なく自分たちの意見を述べ、確認し合う。この光景は練習に限らず、見られるそうだ。昼休みは自発的に部員が集まって、対戦相手を研究。試合でも橋本先生が指示する前に、まず自分たちがどんなプレーをしたいか考える。欠点を補いながら、互いの長所を生かすチームプレーは、日々の積み重ねから生まれている。

集合写真。体格のいい人もいれば、小さな人もいる

 2010年12月28日、旭野高校ラグビー部は夢の舞台に立った。長い県予選を戦い抜き、勝ち取った第90回全国高校ラグビーフットボール大会の愛知県第二地区代表。第85回大会に出場して以来、二度目の近鉄花園ラグビー場だった。1回戦の相手は大阪第二代表の大阪桐蔭高校。試合開始直後、旭野高校は左サイドからの攻撃を中心に、幾度となく攻め立てる。前半13分には先制トライを決めるが、相手の分厚い攻めで逆転を許し、結果は10-43で惨敗。しかし、力を出し尽くした選手たちは、晴れ晴れとした表情を見せた。
 1975年に創部した旭野高校ラグビー部。37年の歴史を持ち、毎年県で上位の成績を収めている。その活躍は、地域の人々から常に注目され、大会には多くが応援に駆け付けるほか、尾張旭市のイメージキャラクター「あさぴー」のラグビーバージョンもつくられた。
 部の歴史を築いてきた先輩たちに追いつき、さらなる高みへ向かおうと、今、部員たちはひたむきに楕円のボールを追いかけている。1年生の時に花園を肌で感じた3年生が今年の秋で引退し、今は2年生5人と1年生15人の20人。目標は花園、そして全国制覇だ。
■代々受け継がれる旭野の強み
チームワークと判断力
 高校ラグビーの試合は1チーム15人で行われるため、今年の旭野高校は必然的に1年生中心のチームになる。例年に比べると2年生の部員数が少なく、他のチームとどうしても体格に差が出てしまうが、キャプテンの筒井響司君は前向きだ。「人数が少ないので昨年以上にチーム一丸となって、体が小さくても走り勝てるチームにしていきます」と意気込みを語る。そのために、「先輩たちが自分たちにしてくれたように、自分を厳しく律して、後輩たちに背中を見せていきたい」とチームを引っ張っていく決意を見せた。<br /> 旭野高校の強みは、抜群のチームワーク。それは22年にわたって、歴代のチームを見てきた橋本英一先生が認める長所だ。仲間が何を求めているのか、自分はどんな動きをすることが効果的なのかを的確に判断し実践することに、旭野高校は長けている。<br /> 練習中、何度かオフェンス陣とディフェンス陣に分かれて話し合う場面が見られた。一つの練習メニューが終わるたびに、「最後のプレーにフォローが足りない」「声が小さくて届いていない」など、学年は関係なく自分たちの意見を述べ、確認し合う。この光景は練習に限らず、見られるそうだ。昼休みは自発的に部員が集まって、対戦相手を研究。試合でも橋本先生が指示する前に、まず自分たちがどんなプレーをしたいか考える。欠点を補いながら、互いの長所を生かすチームプレーは、日々の積み重ねから生まれている。

コーチ陣からの指導はもちろん、部員同士でも積極的に意見を出し合う

 高校ラグビーの試合は1チーム15人で行われるため、今年の旭野高校は必然的に1年生中心のチームになる。例年に比べると2年生の部員数が少なく、他のチームとどうしても体格に差が出てしまうが、キャプテンの筒井響司君は前向きだ。「人数が少ないので昨年以上にチーム一丸となって、体が小さくても走り勝てるチームにしていきます」と意気込みを語る。そのために、「先輩たちが自分たちにしてくれたように、自分を厳しく律して、後輩たちに背中を見せていきたい」とチームを引っ張っていく決意を見せた。
 旭野高校の強みは、抜群のチームワーク。それは22年にわたって、歴代のチームを見てきた橋本英一先生が認める長所だ。仲間が何を求めているのか、自分はどんな動きをすることが効果的なのかを的確に判断し実践することに、旭野高校は長けている。
 練習中、何度かオフェンス陣とディフェンス陣に分かれて話し合う場面が見られた。一つの練習メニューが終わるたびに、「最後のプレーにフォローが足りない」「声が小さくて届いていない」など、学年は関係なく自分たちの意見を述べ、確認し合う。この光景は練習に限らず、見られるそうだ。昼休みは自発的に部員が集まって、対戦相手を研究。試合でも橋本先生が指示する前に、まず自分たちがどんなプレーをしたいか考える。欠点を補いながら、互いの長所を生かすチームプレーは、日々の積み重ねから生まれている。
■ともにボールを追いかける
旭野高校初の女子部員
 ひとしきり練習を眺めていると、グラウンドで高い声が響いた。女子マネージャーではない。他の部員たちとともにタックルし、ボールを持って走り、スクラムを組むのは、2年生の加納和さん。長い歴史を持つ旭野高校で初めての女子部員である。<br /> 加納さんは小学3年生の頃、父の影響でラグビースクールに通い始めた。当時はまだルールもあまり理解しておらず、中学に進学すると同時に一度はやめてしまった。しかし、父を通してラグビーの面白さに触れ、高校からは女子クラブチーム「名古屋レディース」に所属。泥臭いプレーを信条とするフォワードで愛知県選抜にも選ばれている。<br /> 女子ラグビー部がないため、1年生の頃は水泳部に入部し、週2回ほど「名古屋レディース」に通って練習していた。しかし、週2回では足りない。もっとラグビーを練習したいと願う彼女に、橋本先生が声をかける。それから、しばしば練習に混ざるようになり、2年生に進級した時、晴れてラグビー部に籍を移した。<br /> 加納さんはクラブチームに所属し、男子大会に女子が選手として参加できない規定もあるため、公式戦には出られない。だが、練習は男子と変わらず、手加減抜きだ。「体力づくりが特に大変です。また、男子は体格が良くて、がんばってタックルしても止まらない」と加納さん。男女の体の差を実感することも多いが、弱音を吐かずに必死に練習に食らいつく。<br /> そんな彼女の姿を間近で見ていた部員たちは、最初は戸惑いながらも、いつしか自然に接することができるようになった。経験豊富なため、教わることも多いのだと筒井君は話す。練習試合に限り、肩を並べて試合に出ることもあるそうだ。加納さんは今、チームの一員として、旭野高校ラグビー部を支えている。<br /> 体が大きくないとラグビーはできない。そう考える人がいるかもしれない。しかし、ラグビーにはさまざまなポジションがあり、体が小さくても、足が遅くても、その人に向いた役割がある。「どんな人でも、自由にフィールドで動くことができる。だから、ラグビーはおもしろい」と橋本先生。そんな競技の魅力を部員たちは教わっている。旭野高校の強さは、ラグビーの楽しさを共有しながらプレーしているところにあるのかもしれない。<br /> 文/野村亮輔

加納さんも男子と一緒に練習をこなす

 ひとしきり練習を眺めていると、グラウンドで高い声が響いた。女子マネージャーではない。他の部員たちとともにタックルし、ボールを持って走り、スクラムを組むのは、2年生の加納和さん。長い歴史を持つ旭野高校で初めての女子部員である。
 加納さんは小学3年生の頃、父の影響でラグビースクールに通い始めた。当時はまだルールもあまり理解しておらず、中学に進学すると同時に一度はやめてしまった。しかし、父を通してラグビーの面白さに触れ、高校からは女子クラブチーム「名古屋レディース」に所属。泥臭いプレーを信条とするフォワードで愛知県選抜にも選ばれている。
 女子ラグビー部がないため、1年生の頃は水泳部に入部し、週2回ほど「名古屋レディース」に通って練習していた。しかし、週2回では足りない。もっとラグビーを練習したいと願う彼女に、橋本先生が声をかける。それから、しばしば練習に混ざるようになり、2年生に進級した時、晴れてラグビー部に籍を移した。
 加納さんはクラブチームに所属し、男子大会に女子が選手として参加できない規定もあるため、公式戦には出られない。だが、練習は男子と変わらず、手加減抜きだ。「体力づくりが特に大変です。また、男子は体格が良くて、がんばってタックルしても止まらない」と加納さん。男女の体の差を実感することも多いが、弱音を吐かずに必死に練習に食らいつく。
 そんな彼女の姿を間近で見ていた部員たちは、最初は戸惑いながらも、いつしか自然に接することができるようになった。経験豊富なため、教わることも多いのだと筒井君は話す。練習試合に限り、肩を並べて試合に出ることもあるそうだ。加納さんは今、チームの一員として、旭野高校ラグビー部を支えている。
 体が大きくないとラグビーはできない。そう考える人がいるかもしれない。しかし、ラグビーにはさまざまなポジションがあり、体が小さくても、足が遅くても、その人に向いた役割がある。「どんな人でも、自由にフィールドで動くことができる。だから、ラグビーはおもしろい」と橋本先生。そんな競技の魅力を部員たちは教わっている。旭野高校の強さは、ラグビーの楽しさを共有しながらプレーしているところにあるのかもしれない。
 文/野村亮輔

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