名古屋市天白区「天白フリモ」| 2013年10月号掲載

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写真を通じて山の素晴らしさを伝え続ける

山岳写真家 鎌田則雄

天白区在住の鎌田則雄さんは、20代の頃に山へ入って以来、約30年もの歳月をかけて撮影を続ける山岳写真家。
日本アルプスはもちろん、全国各地の美しい山の情景を収めた彼の写真には、人を感動させる確かな力があります。

■大好きな登山への目覚め
そして山岳写真家へ
 その後、鎌田さんはプロの山岳写真家による審査を経て、日本山岳写真協会東海支部に加盟。山がもっとも輝く瞬間を的確なタイミングで捉えた写真は、山岳出版社のカレンダーなど多くの刊行物を飾りました。実力を認められた鎌田さんは同協会の東海支部長に就任します。しかし、山岳写真家として確固たる地位を手に入れても決して手抜きをしない、これが鎌田流です。「三脚は必需品。ファインダーを固定して、写真の四隅をしっかり確認することが大事なんだ。手持ちで撮ると、登山道の端や樹木など、見る人の視線が散らばる余計なものが写真に入ってしまう。手持ちで撮ったか、三脚を使ったか、写真を見ればすぐにわかるんだよ」<br /> 写真は構図が命だと強調します。「どんな写真も基本の構図、つまりフレーミングが大事。絵画と同じで、見る人の視線をぐっと引きつけるためには、絵としての安定感が絶対に必要だし、なにより良い写真を撮るためなら基本を外すべきじゃない」<br /> 写真への強い思いをこのように話してくれた鎌田さん。この情熱を、長らく住んでいる名古屋へ還元し、地域の文化を潤したいといいます。「自然の素晴らしさや良い写真の撮り方などを広めるのが、山岳写真家のミッション。今年6月にウインクあいちで開催された『夏山フェスタ』で、コンパクトデジカメで撮る山岳写真講座を開催したときには、満員御礼で。それは力が入ったよ」と、嬉しそうに笑いました。<br /> 山に行き過ぎてヒザが痛むと苦笑いしつつも、「来年で会社を定年になるから、大好きな中央アルプス・宝剣岳、八ケ岳南部・赤岳に、行きたいときに行ける」と目を輝かせています。その渾身の一枚は、これからも進化し続ける予感です。<br /><br /> 文/成清 陽

鎌田則雄 かまだのりお
鹿児島県生まれの59歳。普段はIT企業に勤めながら、休日を利用して山へ足を運んでいる。
日本山岳写真協会東海支部長。

 「ある日、先輩に山へ行かないかと誘われて。これまでも、一緒に渓流釣りに行くことはあったけど、登山があんなに大変だとは思わなかったなあ」と、初めて登山道に足を踏み入れた27歳当時のことを、鎌田則雄さんはさも愉快そうに述懐します。
 小児マヒで右足にハンディキャップがあった鎌田さんは、歩くことはできても走るのは難しい体でした。それでも、「社会人になってから源流を歩き、自然の中に行くたびにワクワクしていた」と話します。そして初めて登った川上岳。はっきりとした登山道もない、いわゆる〝ヤブ山〟歩き専門の先輩に連れられて、ヒイヒイ言いながらの初登山。しかし、10月下旬の山で得た感動は、鎌田さんの心に深く刻まれました。「ササ原の中に、白い樹皮のブナがぽつんぽつんと生えていて、枝先にびっしり樹氷が付いていた。でも、初めて見るそれが氷だとわからなくて、きれいな白い花が咲いていると思ったものだよ」
 下山すると、鎌田さんはすっかり登山のとりこになっていました。それからは、毎週のように先輩にせがみ、山へ、岩へ、沢へ。あげくは凍りついた滝までも登るアイスクライミングまで。「足が不自由だから、どんなトラブルに見舞われても対処できるように、登山技術を磨きたかった」と屈託なく笑いますが、こうして山へ通い詰めた鎌田さんの興味は、高山植物や山岳文化、写真へと広がっていきました。中でも写真は、山仲間が撮影したものがきっかけで、「俺のほうが上手く撮れるのに」と、負けず嫌いの鎌田さんに火をつけました。その後、独学で写真を学び、ときに駒ヶ根在住の山岳写真家・津野祐次さんに指導を仰ぎながら、重い機材を背負うためにハンディのある体を鍛え上げました。山岳写真家・鎌田則雄は、こうして誕生したのです。
■基本に忠実に撮る山岳写真を
名古屋から発信したい!
 その後、鎌田さんはプロの山岳写真家による審査を経て、日本山岳写真協会東海支部に加盟。山がもっとも輝く瞬間を的確なタイミングで捉えた写真は、山岳出版社のカレンダーなど多くの刊行物を飾りました。実力を認められた鎌田さんは同協会の東海支部長に就任します。しかし、山岳写真家として確固たる地位を手に入れても決して手抜きをしない、これが鎌田流です。「三脚は必需品。ファインダーを固定して、写真の四隅をしっかり確認することが大事なんだ。手持ちで撮ると、登山道の端や樹木など、見る人の視線が散らばる余計なものが写真に入ってしまう。手持ちで撮ったか、三脚を使ったか、写真を見ればすぐにわかるんだよ」<br /> 写真は構図が命だと強調します。「どんな写真も基本の構図、つまりフレーミングが大事。絵画と同じで、見る人の視線をぐっと引きつけるためには、絵としての安定感が絶対に必要だし、なにより良い写真を撮るためなら基本を外すべきじゃない」<br /> 写真への強い思いをこのように話してくれた鎌田さん。この情熱を、長らく住んでいる名古屋へ還元し、地域の文化を潤したいといいます。「自然の素晴らしさや良い写真の撮り方などを広めるのが、山岳写真家のミッション。今年6月にウインクあいちで開催された『夏山フェスタ』で、コンパクトデジカメで撮る山岳写真講座を開催したときには、満員御礼で。それは力が入ったよ」と、嬉しそうに笑いました。<br /> 山に行き過ぎてヒザが痛むと苦笑いしつつも、「来年で会社を定年になるから、大好きな中央アルプス・宝剣岳、八ケ岳南部・赤岳に、行きたいときに行ける」と目を輝かせています。その渾身の一枚は、これからも進化し続ける予感です。<br /><br /> 文/成清 陽

やはり紅葉はアルプスのものが圧倒的。北アルプス・涸沢(からさわ)のナナカマドは燃えるような赤色

 その後、鎌田さんはプロの山岳写真家による審査を経て、日本山岳写真協会東海支部に加盟。山がもっとも輝く瞬間を的確なタイミングで捉えた写真は、山岳出版社のカレンダーなど多くの刊行物を飾りました。実力を認められた鎌田さんは同協会の東海支部長に就任します。しかし、山岳写真家として確固たる地位を手に入れても決して手抜きをしない、これが鎌田流です。「三脚は必需品。ファインダーを固定して、写真の四隅をしっかり確認することが大事なんだ。手持ちで撮ると、登山道の端や樹木など、見る人の視線が散らばる余計なものが写真に入ってしまう。手持ちで撮ったか、三脚を使ったか、写真を見ればすぐにわかるんだよ」
 写真は構図が命だと強調します。「どんな写真も基本の構図、つまりフレーミングが大事。絵画と同じで、見る人の視線をぐっと引きつけるためには、絵としての安定感が絶対に必要だし、なにより良い写真を撮るためなら基本を外すべきじゃない」
 写真への強い思いをこのように話してくれた鎌田さん。この情熱を、長らく住んでいる名古屋へ還元し、地域の文化を潤したいといいます。「自然の素晴らしさや良い写真の撮り方などを広めるのが、山岳写真家のミッション。今年6月にウインクあいちで開催された『夏山フェスタ』で、コンパクトデジカメで撮る山岳写真講座を開催したときには、満員御礼で。それは力が入ったよ」と、嬉しそうに笑いました。
 山に行き過ぎてヒザが痛むと苦笑いしつつも、「来年で会社を定年になるから、大好きな中央アルプス・宝剣岳、八ケ岳南部・赤岳に、行きたいときに行ける」と目を輝かせています。その渾身の一枚は、これからも進化し続ける予感です。

 文/成清 陽

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