名古屋市緑区「緑区フリモ」| 2016年11月号掲載

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勝利を重ねて飛躍する期待の若手レーシングドライバー

小杉諭司選手

緑区で生まれ育ち、モータースポーツの世界で頭角を現している小杉諭司選手。今年の春からは「トヨタガズーレーシング 86/BRZレース プロシリーズ」に参戦し、国内トップレベルのプロドライバーたちを相手に互角の戦いをみせています。そんな注目の若手ドライバーに、モータースポーツへの思いや意気込みを尋ねました。

■天性の才能に恵まれた 独特のドライビングセンス
 小杉選手が「アジアン・フォーミュラ・ルノー」に参戦していたのは高校3年生の時。世界を相手に戦いながら、一方では人生の大きな岐路を迎えていました。<br /> 「このまま本気でドライバーを目指すのか、それとも大学進学を選ぶのか。一度、父から真剣に聞かれました」と小杉選手は振り返ります。<br /> 最終的に決断したのはドライバーへの道でした。実家を出て、レースに出場するための資金を少しでも稼ごうと、アルバイトとドライバーの二重生活を始めます。「つらい時もありますが、憧れだったドライバーになれたのですから、うれしい気持ちが勝っています」と小杉選手。平日は仕事が終わると自宅での筋力トレーニングに励み、休日は主にレースの出場やコース上での練習などにあてています。<br /> 昨年には、全国3会場のサーキットを舞台に約45人の選手が参戦したカートレースの大会「ダンロップ・ネクストカップ」でシリーズチャンピオンを達成。ダンロップタイヤからタイヤなどのサポートを受けられるスカラシップと、「トヨタガズーレーシング86/BRZレース プロシリーズ」の年間出場資格を獲得しました。<br /> 「このシリーズは一般車が対象ですから、各メーカーが最新技術をテストする場にもなっています。そのため、プロの契約ドライバーやベテランドライバーが高いレベルでしのぎを削る、非常に奥が深いレースです」と長谷川さんは教えてくれます。また、使用可能なエンジンやタイヤが大幅に制限され、各マシンの性能に大きな差が出ない「ワンメイク」と呼ばれるレースであることも特徴の一つ。ドライバー一人ひとりの実力に重点が置かれるシリーズです。小杉選手はデビュー戦となった今年4月の第1戦に36台中決勝19位でゴール。9月の第6戦では初めて決勝トップ10入りを果たしました。「1年目のドライバーとは思えない」と長谷川さんが太鼓判を押す戦績。ダンロップからも高い期待を寄せられるドライバーの一人に成長しています。

小杉諭司選手
平成6年生まれ。21歳。「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race プロシリーズ」に出場。上位の結果を残すため、日々トレーニングに励んでいます

 小杉諭司選手がモータースポーツの世界に足を踏み入れたのは平成19年。中学1年生の時に、15歳以下のドライバーを対象としたJAF(日本自動車連盟)公認のジュニアカートを始めたことがきっかけでした。
 「幼い頃から車が大好きで、将来の夢はレーシングドライバー!と答える子どもでした」と明かすのは、整備面などで小杉選手を支え続ける父親の賢司さん。独学で整備の知識をつけ、同行する会場でほかの選手からアドバイスを求められることがあるといいます。
 カートレースを始めた1年後には、ヤマハジュニアクラスの瑞浪シリーズと石野シリーズに年間フル参戦し、いずれも3位に入賞した小杉選手。翌年には両シリーズでチャンピオンの座を獲得するなど、早期から才能の片りんをのぞかせていました。
 「セオリー通りではない独特な走り方なのに、とにかく速い。出会った時から天性の才能を感じましたね」と語るのは小杉選手が所属するバズインターナショナル株式会社代表取締役の長谷川謙一さん。かつて自動車レースの頂点であるフォーミュラレースのレーシングドライバーとして活躍した長谷川さんの目から見ても、小杉選手は飛び抜けた存在だったと話します。
 平成22年には「全日本カート選手権」KF2クラスでシリーズ8位に入賞。一つ上のクラスにあたるX30クラスでも年間のシリーズチャンピオンになりました。そして4年前からはフォーミュラレースに参戦。新人ドライバーの登竜門といわれる「アジアン・フォーミュラ・ルノー」で中国やシンガポール、イギリス、ドイツなど各国の若手ドライバーと競い合い、年間のシリーズランキングで堂々の2位という輝かしい戦績を残しました。
■マシンの性能に差が出ない 実力本位のレースで善戦
 小杉選手が「アジアン・フォーミュラ・ルノー」に参戦していたのは高校3年生の時。世界を相手に戦いながら、一方では人生の大きな岐路を迎えていました。<br /> 「このまま本気でドライバーを目指すのか、それとも大学進学を選ぶのか。一度、父から真剣に聞かれました」と小杉選手は振り返ります。<br /> 最終的に決断したのはドライバーへの道でした。実家を出て、レースに出場するための資金を少しでも稼ごうと、アルバイトとドライバーの二重生活を始めます。「つらい時もありますが、憧れだったドライバーになれたのですから、うれしい気持ちが勝っています」と小杉選手。平日は仕事が終わると自宅での筋力トレーニングに励み、休日は主にレースの出場やコース上での練習などにあてています。<br /> 昨年には、全国3会場のサーキットを舞台に約45人の選手が参戦したカートレースの大会「ダンロップ・ネクストカップ」でシリーズチャンピオンを達成。ダンロップタイヤからタイヤなどのサポートを受けられるスカラシップと、「トヨタガズーレーシング86/BRZレース プロシリーズ」の年間出場資格を獲得しました。<br /> 「このシリーズは一般車が対象ですから、各メーカーが最新技術をテストする場にもなっています。そのため、プロの契約ドライバーやベテランドライバーが高いレベルでしのぎを削る、非常に奥が深いレースです」と長谷川さんは教えてくれます。また、使用可能なエンジンやタイヤが大幅に制限され、各マシンの性能に大きな差が出ない「ワンメイク」と呼ばれるレースであることも特徴の一つ。ドライバー一人ひとりの実力に重点が置かれるシリーズです。小杉選手はデビュー戦となった今年4月の第1戦に36台中決勝19位でゴール。9月の第6戦では初めて決勝トップ10入りを果たしました。「1年目のドライバーとは思えない」と長谷川さんが太鼓判を押す戦績。ダンロップからも高い期待を寄せられるドライバーの一人に成長しています。

各レーシングカーにはメーカーの最新技術が導入されています

 小杉選手が「アジアン・フォーミュラ・ルノー」に参戦していたのは高校3年生の時。世界を相手に戦いながら、一方では人生の大きな岐路を迎えていました。
 「このまま本気でドライバーを目指すのか、それとも大学進学を選ぶのか。一度、父から真剣に聞かれました」と小杉選手は振り返ります。
 最終的に決断したのはドライバーへの道でした。実家を出て、レースに出場するための資金を少しでも稼ごうと、アルバイトとドライバーの二重生活を始めます。「つらい時もありますが、憧れだったドライバーになれたのですから、うれしい気持ちが勝っています」と小杉選手。平日は仕事が終わると自宅での筋力トレーニングに励み、休日は主にレースの出場やコース上での練習などにあてています。
 昨年には、全国3会場のサーキットを舞台に約45人の選手が参戦したカートレースの大会「ダンロップ・ネクストカップ」でシリーズチャンピオンを達成。ダンロップタイヤからタイヤなどのサポートを受けられるスカラシップと、「トヨタガズーレーシング86/BRZレース プロシリーズ」の年間出場資格を獲得しました。
 「このシリーズは一般車が対象ですから、各メーカーが最新技術をテストする場にもなっています。そのため、プロの契約ドライバーやベテランドライバーが高いレベルでしのぎを削る、非常に奥が深いレースです」と長谷川さんは教えてくれます。また、使用可能なエンジンやタイヤが大幅に制限され、各マシンの性能に大きな差が出ない「ワンメイク」と呼ばれるレースであることも特徴の一つ。ドライバー一人ひとりの実力に重点が置かれるシリーズです。小杉選手はデビュー戦となった今年4月の第1戦に36台中決勝19位でゴール。9月の第6戦では初めて決勝トップ10入りを果たしました。「1年目のドライバーとは思えない」と長谷川さんが太鼓判を押す戦績。ダンロップからも高い期待を寄せられるドライバーの一人に成長しています。
■転機を迎えたレース 一段と成長を遂げる
 モータースポーツの世界では、一人の選手に対して巨額の費用と協力メーカーをはじめとする多くの人間が動きます。<br /> 「とくに家族の理解とサポートが必要不可欠です」と力強く話す長谷川さん。小杉選手も「多くの方へ感謝の心を忘れず、レースで良い結果を残すことで恩返しをしていきたい」と前を見据えます。<br /> 次回のレースは、今シーズンの最終戦となる10月29日と30日の鈴鹿サーキット。第6戦のトップ10入りを超える結果を残そうと、小杉選手は練習だけでなく、日々の生活態度を改め始めました。「大切なのは、部屋掃除をするなど、毎日の規律正しい生活の積み重ね。昔から父にいわれ続けていたのですが、最近になって実感できるようになったんです」。大きなきっかけとなったのは、決勝レースでクラッシュに巻き込まれ、リタイヤしてしまった6月の第4戦。「結果を残せなかった悔しい思いが諭司を奮い立たせたのでしょう。大会後から人間的にも徐々に成長してきました」と賢司さんは小杉選手を温かいまなざしで見つめます。「第4戦のレースが、これまでぶつかっていた大きな壁を乗り越えるターニングポイントになったと思います」と長谷川さんも口をそろえます。<br /> 「走ることが楽しくて仕方がない」とほほ笑む小杉選手。将来の目標は、一般車レースの国内トップカテゴリーであるスーパーGTに参戦し、チャンピオンを目指すこと。一つひとつ着実にステップアップを続ける背中に、声援を送らずにはいられません。<br /><br />文/藤原均

上・左)「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race プロシリーズ」は一般車用レースのため、ナンバープレートを付け、車内をレース用に改造して出場します
右)小杉選手愛用のヘルメット。縁には「satoshi」の名が刻まれています

 モータースポーツの世界では、一人の選手に対して巨額の費用と協力メーカーをはじめとする多くの人間が動きます。
 「とくに家族の理解とサポートが必要不可欠です」と力強く話す長谷川さん。小杉選手も「多くの方へ感謝の心を忘れず、レースで良い結果を残すことで恩返しをしていきたい」と前を見据えます。
 次回のレースは、今シーズンの最終戦となる10月29日と30日の鈴鹿サーキット。第6戦のトップ10入りを超える結果を残そうと、小杉選手は練習だけでなく、日々の生活態度を改め始めました。「大切なのは、部屋掃除をするなど、毎日の規律正しい生活の積み重ね。昔から父にいわれ続けていたのですが、最近になって実感できるようになったんです」。大きなきっかけとなったのは、決勝レースでクラッシュに巻き込まれ、リタイヤしてしまった6月の第4戦。「結果を残せなかった悔しい思いが諭司を奮い立たせたのでしょう。大会後から人間的にも徐々に成長してきました」と賢司さんは小杉選手を温かいまなざしで見つめます。「第4戦のレースが、これまでぶつかっていた大きな壁を乗り越えるターニングポイントになったと思います」と長谷川さんも口をそろえます。
 「走ることが楽しくて仕方がない」とほほ笑む小杉選手。将来の目標は、一般車レースの国内トップカテゴリーであるスーパーGTに参戦し、チャンピオンを目指すこと。一つひとつ着実にステップアップを続ける背中に、声援を送らずにはいられません。

文/藤原均

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