伊勢市・鳥羽市・玉城町「イセラクラブ®」| 2017年4月号掲載

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日本の菓子文化と三重のもてなしを発信

第27回全国菓子大博覧会・三重 お伊勢さん菓子博2017

菓子の祭典「お伊勢さん菓子博2017」が
四月二十一日からスタートする。
菓子を通して、地域のおもてなしを
体感してもらおうと、アイデアや技を結集。
趣向を凝らした菓子が人々を出迎える。
来場者目標は六十万人。
期間中、多くの人が甘い幸せに包まれるだろう。

■未来の菓子職人が 工芸菓子に挑戦
 お伊勢さん菓子博では、これまでの博覧会で最多となる百七十四点の工芸菓子が展示される。博覧会のシンボルともいえるのがおよそ幅十メートル、奥行き五・五メートルの巨大工芸菓子だ。今回は歌川広重の浮世絵「伊勢参宮宮川の渡し」をモチーフに、お伊勢参りのにぎわいを表現する。和菓子職人やパティシエが中心となって百人以上で取り掛かり、約一年がかりで創り上げる迫力満点の作品だ。
 制作の責任者は、三重県菓子工業組合青年部部長の早川賢さん(四日市市・富寿家)。県内の菓子職人が一堂に会することは困難なため、北勢、中勢、南勢地区など五つに区割りして取り組んでいる。
 前回は厳島神社の巨大な工芸菓子が展示されたが、今回は浮世絵を立体化するため、設計から苦労の連続だったという。
 「桜の花びら、松の葉をどれだけの大きさにすればよいかなど、立体の遠近感を大事にしてきました」と早川さん。桜の花びらを九万輪、合計十六本の桜に仕上げ、松葉に至っては十万本という膨大な数をつくり続ける。
 実は渡し船が行き交う広重の浮世絵に桜は描かれていない。しかし「宮川の渡し」は「桜の渡し」とも呼ばれる桜の名所。ほかに宇治橋など内宮の一部や、夫婦岩など、広重の図案に想像を膨らませ、お伊勢参りの情景を表現しているという。
 早川さんは、「こんな機会でもない限り、工芸菓子に触れることは滅多にありません。この経験で洞察力や観察力を育み、表現の幅が広がるなど今後の菓子づくりにも生かすことができます。また連携してつくり上げるため、仲間意識だけでなく競争心も芽生え、物事に対し違う見方もできるようになります」と今後の菓子業界に期待をふくらませる。

伊勢調理製菓専門学校が担当する祝宴料理。一粒一粒を蒸した蒸気で形にしていく赤飯だ。先生も学生も一緒に取り組む

 これまでに二十六回行われ、三重県での開催は初となる「全国菓子大博覧会」。会場では全国各地の菓子が展示・即売され、菓匠(菓子職人)による工芸菓子も披露される。  もともと工芸菓子は観賞用の造形作品で、菓子を作る技術を使い、制作する。本物を超えた雅な美しさがあり、菓子博覧会では毎回注目されている。  三月上旬、伊勢調理製菓専門学校の製菓実習室では、卒業式を目前に追い込みに入った学生九人の姿があった。材料を練って、整え、蒸して、混ぜるなど細かい作業が続く。彼らがつくるのは「お伊勢さん菓子博2017」で展示する「祝宴料理」の工芸菓子。「授業で学んだ本膳料理を生かせるテーマですが、形を似せること以上に同じ色を出すのが難しくて」と西川明歩先生。黄、青、赤の三つの食用色素の組合せで微妙な色合いを調節し、配合の加減は絶妙だ。  祝い膳に並ぶ料理を実際につくるなど、一品一品を細部に至るまで確認しながら作業を続けてきた。また料理だけでなく皿や漆器、膳も、工夫を凝らして菓子の材料で模っている。「細かい作業がたくさんあって思った以上に大変でした。そんな部分をしっかりと見てもらいたいです」と学生の名倉琢智さん。和菓子の講師から指導を受けるなど、貴重な体験ができたと話す。
■菓子博覧会で身につく 技と力を後生に
 お伊勢さん菓子博では、これまでの博覧会で最多となる百七十四点の工芸菓子が展示される。博覧会のシンボルともいえるのがおよそ幅十メートル、奥行き五・五メートルの巨大工芸菓子だ。今回は歌川広重の浮世絵「伊勢参宮宮川の渡し」をモチーフに、お伊勢参りのにぎわいを表現する。和菓子職人やパティシエが中心となって百人以上で取り掛かり、約一年がかりで創り上げる迫力満点の作品だ。
 制作の責任者は、三重県菓子工業組合青年部部長の早川賢さん(四日市市・富寿家)。県内の菓子職人が一堂に会することは困難なため、北勢、中勢、南勢地区など五つに区割りして取り組んでいる。
 前回は厳島神社の巨大な工芸菓子が展示されたが、今回は浮世絵を立体化するため、設計から苦労の連続だったという。
 「桜の花びら、松の葉をどれだけの大きさにすればよいかなど、立体の遠近感を大事にしてきました」と早川さん。桜の花びらを九万輪、合計十六本の桜に仕上げ、松葉に至っては十万本という膨大な数をつくり続ける。
 実は渡し船が行き交う広重の浮世絵に桜は描かれていない。しかし「宮川の渡し」は「桜の渡し」とも呼ばれる桜の名所。ほかに宇治橋など内宮の一部や、夫婦岩など、広重の図案に想像を膨らませ、お伊勢参りの情景を表現しているという。
 早川さんは、「こんな機会でもない限り、工芸菓子に触れることは滅多にありません。この経験で洞察力や観察力を育み、表現の幅が広がるなど今後の菓子づくりにも生かすことができます。また連携してつくり上げるため、仲間意識だけでなく競争心も芽生え、物事に対し違う見方もできるようになります」と今後の菓子業界に期待をふくらませる。

シンボル展示は5つのパートに分かれて作業。可憐な桜の花びらをつくるのは北勢エリアのチーム桜。繊細な技術と感性から9万輪の桜が咲き乱れる。約250体の人形で旅人のにぎわいを演出するチームパティシエ。時代考証や衣装や小物、男女や年齢比などを検証しながらの制作に励む

 お伊勢さん菓子博では、これまでの博覧会で最多となる百七十四点の工芸菓子が展示される。博覧会のシンボルともいえるのがおよそ幅十メートル、奥行き五・五メートルの巨大工芸菓子だ。今回は歌川広重の浮世絵「伊勢参宮宮川の渡し」をモチーフに、お伊勢参りのにぎわいを表現する。和菓子職人やパティシエが中心となって百人以上で取り掛かり、約一年がかりで創り上げる迫力満点の作品だ。  制作の責任者は、三重県菓子工業組合青年部部長の早川賢さん(四日市市・富寿家)。県内の菓子職人が一堂に会することは困難なため、北勢、中勢、南勢地区など五つに区割りして取り組んでいる。  前回は厳島神社の巨大な工芸菓子が展示されたが、今回は浮世絵を立体化するため、設計から苦労の連続だったという。  「桜の花びら、松の葉をどれだけの大きさにすればよいかなど、立体の遠近感を大事にしてきました」と早川さん。桜の花びらを九万輪、合計十六本の桜に仕上げ、松葉に至っては十万本という膨大な数をつくり続ける。  実は渡し船が行き交う広重の浮世絵に桜は描かれていない。しかし「宮川の渡し」は「桜の渡し」とも呼ばれる桜の名所。ほかに宇治橋など内宮の一部や、夫婦岩など、広重の図案に想像を膨らませ、お伊勢参りの情景を表現しているという。  早川さんは、「こんな機会でもない限り、工芸菓子に触れることは滅多にありません。この経験で洞察力や観察力を育み、表現の幅が広がるなど今後の菓子づくりにも生かすことができます。また連携してつくり上げるため、仲間意識だけでなく競争心も芽生え、物事に対し違う見方もできるようになります」と今後の菓子業界に期待をふくらませる。
■おもてなしの心で 来場者を楽しませる
 食べる楽しみも話題は尽きない。全国から約千八百点のお菓子が集結し、大手菓子メーカーによる商品紹介イベントなど、企画は多彩だ。三重県の食文化を生かし、アオサ、伊勢茶、かんきつ類を使った新たな商品も開発。県内高校生が考案したレシピの商品も会場で販売される。
 伊賀白鳳高のシェルレットは伊勢茶のクリーム、マイヤーレモンのジュレなどを、タルトやマドレーヌと組み合わせた。鳥羽高のあおさのダックワーズヴェルデはアオサの粉末を生地に練り込んだ焼き菓子。外はサクッ、中はふんわりした食感が特徴だ。
 博覧会だけの限定商品にも注目が集まる。赤福をはじめ老舗和菓子メーカー六社による「真菓会」が「おかげ茶屋」を出店し、六社のお菓子が一度に味わえるオリジナル和パフェを共同開発。また白あんを使った「赤福餅祝盆」も登場し、江戸時代から明治期につくられていた黒糖味の赤福餅も復刻版として販売されるという。
 お伊勢さん菓子博のテーマは、「お菓子がつなぐ『おもてなし』を世界へ」。江戸時代の参宮街道は、旅人のために茶屋や餅屋などがいくつも並び、昔からもてなしの風土が育まれてきたところ。それらを体感してもらおうと工夫を凝らす。「会場だけでなく、鳥羽や志摩への宿泊も見込まれ、伊勢志摩地域の地元産業の盛り上がりも期待されています」と第27回全国菓子大博覧会・三重 実行委員会事務局の五十嵐寛さん。神宮参拝をはじめ、観光を兼ねた菓子博となるよう、入場をセットにした旅行商品や乗車券を販売し、会場を含む周辺の観光案内に力を入れる。また会場内の段差をなくしたり、車椅子の導線をよくしたりするなど設計にも配慮。ピクトグラムでの表示で、より多くの人に菓子博を楽しんでもらえる空間づくりを行う。
 二十四日間のお菓子の祭典が、間もなくはじまる。

白小豆を使用した白あんの赤福餅

 食べる楽しみも話題は尽きない。全国から約千八百点のお菓子が集結し、大手菓子メーカーによる商品紹介イベントなど、企画は多彩だ。三重県の食文化を生かし、アオサ、伊勢茶、かんきつ類を使った新たな商品も開発。県内高校生が考案したレシピの商品も会場で販売される。  伊賀白鳳高のシェルレットは伊勢茶のクリーム、マイヤーレモンのジュレなどを、タルトやマドレーヌと組み合わせた。鳥羽高のあおさのダックワーズヴェルデはアオサの粉末を生地に練り込んだ焼き菓子。外はサクッ、中はふんわりした食感が特徴だ。  博覧会だけの限定商品にも注目が集まる。赤福をはじめ老舗和菓子メーカー六社による「真菓会」が「おかげ茶屋」を出店し、六社のお菓子が一度に味わえるオリジナル和パフェを共同開発。また白あんを使った「赤福餅祝盆」も登場し、江戸時代から明治期につくられていた黒糖味の赤福餅も復刻版として販売されるという。  お伊勢さん菓子博のテーマは、「お菓子がつなぐ『おもてなし』を世界へ」。江戸時代の参宮街道は、旅人のために茶屋や餅屋などがいくつも並び、昔からもてなしの風土が育まれてきたところ。それらを体感してもらおうと工夫を凝らす。「会場だけでなく、鳥羽や志摩への宿泊も見込まれ、伊勢志摩地域の地元産業の盛り上がりも期待されています」と第27回全国菓子大博覧会・三重 実行委員会事務局の五十嵐寛さん。神宮参拝をはじめ、観光を兼ねた菓子博となるよう、入場をセットにした旅行商品や乗車券を販売し、会場を含む周辺の観光案内に力を入れる。また会場内の段差をなくしたり、車椅子の導線をよくしたりするなど設計にも配慮。ピクトグラムでの表示で、より多くの人に菓子博を楽しんでもらえる空間づくりを行う。  二十四日間のお菓子の祭典が、間もなくはじまる。

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