各務原市「たんとんくらぶ®」| 2018年4月号掲載

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生まれ変わる「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」

航空宇宙技術史を俯瞰できる 博物館を目指して

リニューアルのため閉館となっていた「かかみがはら航空宇宙科学博物館」が、
名称も新たに「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」(愛称:空宙博)として3月24日、オープンする。
今号では、ひと足早く長浦淳公館長に新しい博物館を案内してもらい、見どころなどを聞いた。

■航空宇宙産業の魅力や夢を 伝える施設にリニューアル
 展示面積は1・7倍に広がり、館全体では43の機体がそろう。1階は「航空エリア」で、日本の航空技術開発の歴史を多くの実機と共に振り返る。<br /> 今回のリニューアルにおける目玉展示が、旧陸軍三式戦闘機「飛燕」。「各務原で約3千機作られた飛燕ですが、このたび展示する機体が世界で唯一現存するものです。その時代の技術者たちの息吹が感じられるのも、レプリカではない実物資料ならではのこと。設計者の土井武夫さんについても紹介します」と長浦館長。<br /> そのほか、各務原で初飛行を行った零戦の試作初号機「十二試艦上戦闘機」の実物大模型を新設。広大なメイン展示フロアには、STOL実験機「飛鳥」やTー2練習機をはじめとした戦後日本の航空機開発史を彩る機体が並ぶ。各機体の前にはパネルとディスプレーが設置され、映像や音声を利用するなど、わかりやすい解説を心がけた。

戦前・戦中の航空機開発を紹介するブースに展示されている「飛燕」と「零戦」(上部)。飛燕の機体には、高い技術力で留められたリベット接合の様子が見て取れる

 現存する国内最古の飛行場を抱え、航空産業の街として発展してきた各務原市。長浦館長によれば、純国産飛行機の74機種がこの地で誕生しているという。日本の航空史にとって重要な役割を果たしてきた飛行場の足跡を残すとともに、地域の航空文化を後世に伝えようと、平成8年に「かかみがはら航空宇宙博物館」(平成17年「かかみがはら航空宇宙科学博物館」に名称変更)が開館した。
 以来20年を経て、展示機体は24機から37機に増え、国内屈指の機体数を誇る施設になったが、展示場の狭さ、施設や機器の老朽化などから、当初は年間50万人を数えた入場者も、近年は10万人前後に落ち込んでいた。
 一方で、平成23年に国際戦略総合特別区域「アジア№1航空宇宙産業クラスター形成特区」の指定を受けるなど、航空宇宙産業の集積地としてさらなる成長を目指している各務原市や岐阜県では、将来の担い手確保や人材育成が課題になっていた。
 こうした状況を背景に、子どもたちが空や宇宙への憧れを育む環境整備の一環として、博物館のリニューアル構想が立ち上がる。従来の各務原市単独ではなく岐阜県との共同運営とし、リニューアルに当たっては機能強化や魅力向上を図った。そして今年3月24日、待望の新博物館がオープンする。
■日本でただ一機現存する 「飛燕」をシンボル展示
 展示面積は1・7倍に広がり、館全体では43の機体がそろう。1階は「航空エリア」で、日本の航空技術開発の歴史を多くの実機と共に振り返る。<br /> 今回のリニューアルにおける目玉展示が、旧陸軍三式戦闘機「飛燕」。「各務原で約3千機作られた飛燕ですが、このたび展示する機体が世界で唯一現存するものです。その時代の技術者たちの息吹が感じられるのも、レプリカではない実物資料ならではのこと。設計者の土井武夫さんについても紹介します」と長浦館長。<br /> そのほか、各務原で初飛行を行った零戦の試作初号機「十二試艦上戦闘機」の実物大模型を新設。広大なメイン展示フロアには、STOL実験機「飛鳥」やTー2練習機をはじめとした戦後日本の航空機開発史を彩る機体が並ぶ。各機体の前にはパネルとディスプレーが設置され、映像や音声を利用するなど、わかりやすい解説を心がけた。

小型ジェット機の操縦体験ができるシミュレーター

 展示面積は1・7倍に広がり、館全体では43の機体がそろう。1階は「航空エリア」で、日本の航空技術開発の歴史を多くの実機と共に振り返る。
 今回のリニューアルにおける目玉展示が、旧陸軍三式戦闘機「飛燕」。「各務原で約3千機作られた飛燕ですが、このたび展示する機体が世界で唯一現存するものです。その時代の技術者たちの息吹が感じられるのも、レプリカではない実物資料ならではのこと。設計者の土井武夫さんについても紹介します」と長浦館長。
 そのほか、各務原で初飛行を行った零戦の試作初号機「十二試艦上戦闘機」の実物大模型を新設。広大なメイン展示フロアには、STOL実験機「飛鳥」やTー2練習機をはじめとした戦後日本の航空機開発史を彩る機体が並ぶ。各機体の前にはパネルとディスプレーが設置され、映像や音声を利用するなど、わかりやすい解説を心がけた。
■日本実験棟「きぼう」を 忠実に再現した実物大模型
 2階の「宇宙エリア」も展示面積が倍増され、人類が宇宙へ挑戦してきた歴史をさまざまな展示物で紹介していく。現在開発中のH3ロケットなど、代表的な国産ロケットの模型が並ぶコーナーでは、ロケットの仕組みや原理を学ぶこともできる。<br /> 宇宙エリアでの注目は、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の実物大模型。「壁面のマジックテープなど、細部に至るまで棟内を忠実に再現しています。ステーションから実験棟に繋がるハッチには『きぼう』と書かれた暖簾が掛けられていますが、それも同じ業者が染めたものを付けているのですよ」と長浦館長は誇らしそうに話す。<br /> さらに、宇宙開発の最新技術を展示するコーナーには、小惑星に向けて飛行を続けている日本の探査機「はやぶさ2」や、現在火星探査を行っている「キュリオシティ」の実物大模型が展示されており、見逃せない。

国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の実物大模型

 2階の「宇宙エリア」も展示面積が倍増され、人類が宇宙へ挑戦してきた歴史をさまざまな展示物で紹介していく。現在開発中のH3ロケットなど、代表的な国産ロケットの模型が並ぶコーナーでは、ロケットの仕組みや原理を学ぶこともできる。
 宇宙エリアでの注目は、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の実物大模型。「壁面のマジックテープなど、細部に至るまで棟内を忠実に再現しています。ステーションから実験棟に繋がるハッチには『きぼう』と書かれた暖簾が掛けられていますが、それも同じ業者が染めたものを付けているのですよ」と長浦館長は誇らしそうに話す。
 さらに、宇宙開発の最新技術を展示するコーナーには、小惑星に向けて飛行を続けている日本の探査機「はやぶさ2」や、現在火星探査を行っている「キュリオシティ」の実物大模型が展示されており、見逃せない。
■次代を担う子どもたちが 見て・体験して・学ぶ施設
 このたびのリニューアルでは、次代の航空宇宙産業の担い手である子どもたちに、空や宇宙に興味を持ってもらうことを重点課題に掲げている。そのために、体験しながら航空宇宙について学べるよう、旅客機や小型ジェット機の操縦体験ができるシミュレーターなど、体験型装置も充実させた。
 また、大型スクリーンを擁するシアタールームや、講演会やセミナーなどに利用できるオリエンテーションルームを新設し、さまざまな学習活用にも対応する。紙飛行機教室や水ロケット製作教室、航空宇宙ロボット教室など、ものづくりを通じて楽しく学べるプログラムも実施していくとしている。
 入館料も中学生以下は無料となる。キッズルームや授乳室が整備され、カフェ、ミュージアムショップもリニューアル。「展示構成はストーリーを持たせるなど、多くの技術者たちが空に挑んできた歴史をわかりやすく紹介しています。子どもたちだけでなく、ぜひ多くの方々に足を運んでいただきたいと思っています」と長浦館長は呼びかける。
文/長屋整徳

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