伊那市・箕輪町・南箕輪村「Oina」| 2018年2月号掲載

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伊那まちの再生やるじゃん会

商店街の魅力を再発見!

駅前に広がる昔ながらの商店街の風景。
しかし、多くの人であふれていた光景は失われ、
徐々に空き店舗が増えている。
そんな商店街を、まちの中心街として蘇らせようと活動しているのが、
伊那まちの再生やるじゃん会だ。

■時代の変化とともに 変化してきた商店街
「伊那まちの再生やるじゃん会結成のきっかけになったのは、2009年に伊那商工会議所が開いたワークショップです」と内山さんは話す。商店街の魅力を伝えるためには、何をしていくべきか。店主や商工会議所、建築家など、さまざまな人が意見を出し合った。<br /> 翌年には伊那市中心市街地再生協議会を設立。人が気軽に集まり、コミュニケーションが取れる憩いの場として、地域コミュニティーの中核を担う。それが商店街の目指すべき姿とし、再生プランを策定した。<br /> その再生プランの実行組織が伊那まちの再生やるじゃん会である。当初のメンバーは50人。うち20人が理事として、活動に奔走した。「実際に活動するとなると、誰もしたがらない。そこで、通り町商店街のメンバーが手を挙げました。店や地域の住民など、一人ひとり説得して、理解を得るのも大変でしたね」。そんな苦労を重ねながら、商店街ごとに行ってきた取り組みを整理。市内園児が走る「ちびっこ駅伝大会」、上伊那の酒造による「伊那街道呑みあるき」、ハロウィーンやミッドナイトなど、これまでの人気イベントを残しながら、すべての商店街に範囲を広げて開催した。通り町商店街が実施してきた「バラ咲く街角事業」も継続して行われている。<br /> さらに、中心街振興に向けた新たな取り組みも行った。情報発信と交流のため、空き店舗を利用して「タウンステーション伊那まち」を開設。買い物弱者を支援するため、郊外で出張販売する「こんにちは伊那まち」は、多くの人に「来てくれてありがたい」と喜ばれ、続けられている。また、店主や出店希望者による「儲けるための勉強会」を開催。2016年に「ローカルベンチャーミーティング」と名前を変え、現在も続けられている。新たに企画されたイベント「いなまち朝マルシェ」も、多くの人が参加しまちをにぎわせた。

通り町商店街。ほかに8つの商店街が力を合わせ、まちの再生に取り組む

 「正月やえびす講など、歩道が人でいっぱいになって歩けない時もありました」。内山金物店の5代目店主で、伊那まちの再生やるじゃん会の会長を務める内山和夫さんは、かつての商店街を懐かしんだ。
 伊那市駅を中心に広がる商店街は、9つに分かれる。最初に店が並んだのは入船地域。かつて船着き場があり、伊那電車軌道の入舟町停留場もある物流拠点だった。後に荒井地域に伊那町駅(現伊那市駅)ができ、駅を結ぶように店が増えていった。
 「通り町商店街にあるニシザワデパートは、まちの中心でした。屋上には観覧車やミニチュア電車があり、家族連れで商店街に来る人も多くいました。子どもは屋上で遊んで、母親はデパートや商店街で買い物をする。皆が楽しめるまちだったんです」と内山さんは話した。
 転機が訪れたのは、昭和40年代後半。近くに大型量販店が進出した。また、自動車の普及によって、駅の利用者も減少。商店街の買い物客は次第に減っていき、高齢化と後継者不足から空き店舗も多くなっていった。
 商店街もただ手をこまねいて見ていたのではない。それぞれが独自のイベントを開催し、集客を行った。内山さんが所属する通り町商店街でも、2006年から歩道にバラを植え、歩く人が楽しめる商店街づくりを進めた。
 しかし、努力を続けても、成果はなかなか上がらない。高齢化によってイベントの担い手が減るなか、ひとつの商店街だけで新たな振興策を打つのは難しかった。かつてのにぎわいを取り戻すためには、バラバラに動く商店街を一致団結させる必要があったのだ。
■9つの商店街の力を結集 多様な方法でまちを再生
「伊那まちの再生やるじゃん会結成のきっかけになったのは、2009年に伊那商工会議所が開いたワークショップです」と内山さんは話す。商店街の魅力を伝えるためには、何をしていくべきか。店主や商工会議所、建築家など、さまざまな人が意見を出し合った。<br /> 翌年には伊那市中心市街地再生協議会を設立。人が気軽に集まり、コミュニケーションが取れる憩いの場として、地域コミュニティーの中核を担う。それが商店街の目指すべき姿とし、再生プランを策定した。<br /> その再生プランの実行組織が伊那まちの再生やるじゃん会である。当初のメンバーは50人。うち20人が理事として、活動に奔走した。「実際に活動するとなると、誰もしたがらない。そこで、通り町商店街のメンバーが手を挙げました。店や地域の住民など、一人ひとり説得して、理解を得るのも大変でしたね」。そんな苦労を重ねながら、商店街ごとに行ってきた取り組みを整理。市内園児が走る「ちびっこ駅伝大会」、上伊那の酒造による「伊那街道呑みあるき」、ハロウィーンやミッドナイトなど、これまでの人気イベントを残しながら、すべての商店街に範囲を広げて開催した。通り町商店街が実施してきた「バラ咲く街角事業」も継続して行われている。<br /> さらに、中心街振興に向けた新たな取り組みも行った。情報発信と交流のため、空き店舗を利用して「タウンステーション伊那まち」を開設。買い物弱者を支援するため、郊外で出張販売する「こんにちは伊那まち」は、多くの人に「来てくれてありがたい」と喜ばれ、続けられている。また、店主や出店希望者による「儲けるための勉強会」を開催。2016年に「ローカルベンチャーミーティング」と名前を変え、現在も続けられている。新たに企画されたイベント「いなまち朝マルシェ」も、多くの人が参加しまちをにぎわせた。

情報発信と交流の拠点としてつくられた「タウンステーション伊那まち」

「伊那まちの再生やるじゃん会結成のきっかけになったのは、2009年に伊那商工会議所が開いたワークショップです」と内山さんは話す。商店街の魅力を伝えるためには、何をしていくべきか。店主や商工会議所、建築家など、さまざまな人が意見を出し合った。
 翌年には伊那市中心市街地再生協議会を設立。人が気軽に集まり、コミュニケーションが取れる憩いの場として、地域コミュニティーの中核を担う。それが商店街の目指すべき姿とし、再生プランを策定した。
 その再生プランの実行組織が伊那まちの再生やるじゃん会である。当初のメンバーは50人。うち20人が理事として、活動に奔走した。「実際に活動するとなると、誰もしたがらない。そこで、通り町商店街のメンバーが手を挙げました。店や地域の住民など、一人ひとり説得して、理解を得るのも大変でしたね」。そんな苦労を重ねながら、商店街ごとに行ってきた取り組みを整理。市内園児が走る「ちびっこ駅伝大会」、上伊那の酒造による「伊那街道呑みあるき」、ハロウィーンやミッドナイトなど、これまでの人気イベントを残しながら、すべての商店街に範囲を広げて開催した。通り町商店街が実施してきた「バラ咲く街角事業」も継続して行われている。
 さらに、中心街振興に向けた新たな取り組みも行った。情報発信と交流のため、空き店舗を利用して「タウンステーション伊那まち」を開設。買い物弱者を支援するため、郊外で出張販売する「こんにちは伊那まち」は、多くの人に「来てくれてありがたい」と喜ばれ、続けられている。また、店主や出店希望者による「儲けるための勉強会」を開催。2016年に「ローカルベンチャーミーティング」と名前を変え、現在も続けられている。新たに企画されたイベント「いなまち朝マルシェ」も、多くの人が参加しまちをにぎわせた。
■店も客も自然体で過ごす コミュニケーションの場
 キャンドルを扱うワイルドツリーの代表、平賀裕子さんは2013年から商店街に店を移した。老舗の多い商店街のなかでは新参だが、「ローカルベンチャーミーティング」や「いなまち朝マルシェ」など、多くの活動を立ち上げている。<br /> また、平賀さんは人と歴史、起業・リノベーションに焦点を当てた冊子『いなまち×イナカチ』を、商店街に関わる若手の仲間たちと制作。異なる視点で商店街の魅力を伝えている。こうした冊子は、利用者に限らず、紹介された店主からも「自分の店の歴史や魅力を見つめ直すきっかけになった」と喜ばれた。<br /> 「商店街はコミュニケーションが取れるあたたかな場所。大型店にはない人とのつながりや心のゆとりがあります」と平賀さん。暑い日は、各店の店主が打ち水をして、少しでも快適に歩けるように心を配る。買い物客同士が世間話をし、店主と相談しながら買い物をする。昔ながらの人情あふれる光景が、商店街には残っている。「私は商店街が好きです。だから、商店街の魅力を多くの人と共有したい」と笑顔で続けた。<br /> イベントや、景観、情報発信など、多様な手段で活性化に向けて取り組んできた伊那まちの再生やるじゃん会。「ローカルベンチャーミーティング」に参加した若者が新たに店を構えるなど、少しずつ結果も出ているが、まだまだかつてのにぎわいを取り戻せたとはいえない。<br /> そんななか、「これからも肩肘をはらず、できることを継続していきたい」と内山さんは穏やかに笑う。隣を見ると、取材に同席していた人が皆、同じように微笑んでいた。客はもちろん、店主も自然体でゆったりと過ごせる。人々の様子からも、改めて商店街の良さが伝わってきた。<br /> 今後も商店街は再生に向けて動いていく。根幹にある魅力を残したまま、ゆっくりと。<br />文/野村亮輔

異なる視点で商店街の魅力を発信する『一店逸品』と『いなまち×イナカチ』

 キャンドルを扱うワイルドツリーの代表、平賀裕子さんは2013年から商店街に店を移した。老舗の多い商店街のなかでは新参だが、「ローカルベンチャーミーティング」や「いなまち朝マルシェ」など、多くの活動を立ち上げている。
 また、平賀さんは人と歴史、起業・リノベーションに焦点を当てた冊子『いなまち×イナカチ』を、商店街に関わる若手の仲間たちと制作。異なる視点で商店街の魅力を伝えている。こうした冊子は、利用者に限らず、紹介された店主からも「自分の店の歴史や魅力を見つめ直すきっかけになった」と喜ばれた。
 「商店街はコミュニケーションが取れるあたたかな場所。大型店にはない人とのつながりや心のゆとりがあります」と平賀さん。暑い日は、各店の店主が打ち水をして、少しでも快適に歩けるように心を配る。買い物客同士が世間話をし、店主と相談しながら買い物をする。昔ながらの人情あふれる光景が、商店街には残っている。「私は商店街が好きです。だから、商店街の魅力を多くの人と共有したい」と笑顔で続けた。
 イベントや、景観、情報発信など、多様な手段で活性化に向けて取り組んできた伊那まちの再生やるじゃん会。「ローカルベンチャーミーティング」に参加した若者が新たに店を構えるなど、少しずつ結果も出ているが、まだまだかつてのにぎわいを取り戻せたとはいえない。
 そんななか、「これからも肩肘をはらず、できることを継続していきたい」と内山さんは穏やかに笑う。隣を見ると、取材に同席していた人が皆、同じように微笑んでいた。客はもちろん、店主も自然体でゆったりと過ごせる。人々の様子からも、改めて商店街の良さが伝わってきた。
 今後も商店街は再生に向けて動いていく。根幹にある魅力を残したまま、ゆっくりと。
文/野村亮輔

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