大府市・東浦町「ぶらんくらぶ」| 2018年07月号掲載

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愛知県立大府高等学校 硬式野球部の夏

百回目の巡り合わせに感謝し目指す、甲子園

「野球選手である前に、立派な高校生であれ」
部訓を掲げ、甲子園の土を踏むべく練習に励むのは、大府高校の硬式野球部。
これまで春夏の大会で7回の甲子園出場経験があり、
元プロ野球選手の槙原寛己投手や赤星憲広選手が輩出した強豪だ。
今年の甲子園開幕は8月5日。
まずは県代表をかけて愛知大会を勝ち抜かねばならない。
球児たちの夏は始まったばかりだ。

■地域の期待を背負う強豪 将来の糧となる部活動に
 グラウンドに立ち、試合に出場できる選手は9人。甲子園でベンチ入りできるメンバーは18人までだ。毎年、多くの3年生が背番号を手にすることなく高校野球生活を終える。<br /> 18年前、そのような選手たちに花道を作りたいと大府高校の硬式野球部は、控え選手の3年生が主役となってプレーする親善試合を設けた。相手は中京大学附属中京高校の控え選手。毎年6月、選ばれた3年生は背番号が縫われたユニフォームを身にまといグラウンドに立つが、その後は部のため裏方に徹する。<br /> 「部はレギュラーだけのものではありません。全員が全力で野球に向き合っています。達成感を味わい、勝利がすべてではないと、さまざまな思いを経験してほしいんです」と野田監督。大所帯であるため、親善試合にも出場できない控え選手がいる。毎年、試合前日の夜中までメンバー選考は難航するという。<br /> 昨年秋の愛知県高等学校野球選手権大会、部は準々決勝で愛知産業大学三河高校と対戦。延長13回の末に攻めきれず、1対3で敗退した。精神面で粘り切れなかった悔しい試合だと野田監督は振り返る。<br /> しかしそれ以降、部員たちに変化が表れた。より勝利へこだわるようになり、1球1球を大切にするようになった。「忘れられない試合は数えきれません。選手が全力を出しきれない時ほど悔しいですし、選手の全力を引き出せないのは指導者の責任。だからこそ選手の成長を感じると、心からうれしくなります」と目を細める。<br /> 今年、夏の甲子園は第100回記念大会を迎える。過去最多の56校が出場し、愛知からは2校が県代表として出場予定。愛知大会は6月30日に開会式を控える。県代表の座をかけて、どの高校も闘志を燃やしている。「私は高校球児だった頃に第80回、部の部長就任時に第90回、そして監督となって第100回という甲子園の節目に出合ってきました。この巡り合わせに感謝し、部一丸となって励みます」と言葉に力を込めた。<br /> 選手、OB、その家族をはじめとし、学校、地域などあらゆる周囲の支えを実感しているという野田監督。涙があふれるような感激も、眠れないほど悔しい経験も、すべてを力に変えて、大府高校の硬式野球部は甲子園を目指している。<br />文/杉浦萌

総勢90人を超える大所帯。Aチーム、Bチーム、Cチームに分かれて構成される。監督が部員に求める選手像は「チームに対する忠誠心・犠牲心」と「勝利への貪欲さ」。地道な努力を続ける精神力も欠かせない

 「甲子園とは、夢の場所。私だけでなく選手やOB、その家族、応援してくださる方々にとっても夢であり、目標だと思います」。胸の内を語るのは、硬式野球部の野田雄仁監督。今年で第100回を迎える甲子園への思いは熱い。
 部は70年以上の歴史があり、現在、約90人の部員が所属。私学4強(中京大学附属中京高校、東邦高校、愛知工業大学名電高校、享栄高校)がしのぎを削る激戦区愛知において、大府高校硬式野球部は「公立の雄」と呼ばれる強豪だ。これまでに元プロ野球選手が輩出したほか、夏の甲子園に3回、春は4回出場している。
 今年はキャプテンが2人体制。広い視野を持って冷静にチームを導く安達空雅選手と、逆境でも不屈の精神を忘れず4番センターを担う伊藤光樹選手が部を率いる。「2人ともキャプテンシーに優れています。あえていうならば、チームの模範となり統率力があるのが安達選手で、試合で力を発揮するのが伊藤選手です」と野田監督は分析する。
 大府高校は公立であるため練習時間が限られ、室内練習場もない。それでも私立高校と肩を並べて強豪と称される強さの裏には、野田監督の指導方針がある。
 OBである野田監督は、現役時代、控え選手だった。その経験から選手一人ひとりの思いを大切に、チームワークや人間性を育む指導を重視。部訓の「野球選手である前に、立派な高校生であれ」が根幹であり、「野球はひとりでできない」と口調を強める。「人間力というものは数値で表せません。友情や熱意、仲間との一体感をいかに経験できるかが重要。私は選手の人生を預かっているのだと思っています」と話す。部員の10年後、20年後を見据え、野球を通してかけがえのない経験を得てほしいと望む。
 監督の思いは部員にも伝わっており、選手たちは積極的に自主練習を実施。朝と昼、授業後など時間を見つけてはひたむきに励み、自主性や連帯感、向上心を自然と養っている。
■選手の努力と涙が報われる 全国が熱中する夏の甲子園
 グラウンドに立ち、試合に出場できる選手は9人。甲子園でベンチ入りできるメンバーは18人までだ。毎年、多くの3年生が背番号を手にすることなく高校野球生活を終える。<br /> 18年前、そのような選手たちに花道を作りたいと大府高校の硬式野球部は、控え選手の3年生が主役となってプレーする親善試合を設けた。相手は中京大学附属中京高校の控え選手。毎年6月、選ばれた3年生は背番号が縫われたユニフォームを身にまといグラウンドに立つが、その後は部のため裏方に徹する。<br /> 「部はレギュラーだけのものではありません。全員が全力で野球に向き合っています。達成感を味わい、勝利がすべてではないと、さまざまな思いを経験してほしいんです」と野田監督。大所帯であるため、親善試合にも出場できない控え選手がいる。毎年、試合前日の夜中までメンバー選考は難航するという。<br /> 昨年秋の愛知県高等学校野球選手権大会、部は準々決勝で愛知産業大学三河高校と対戦。延長13回の末に攻めきれず、1対3で敗退した。精神面で粘り切れなかった悔しい試合だと野田監督は振り返る。<br /> しかしそれ以降、部員たちに変化が表れた。より勝利へこだわるようになり、1球1球を大切にするようになった。「忘れられない試合は数えきれません。選手が全力を出しきれない時ほど悔しいですし、選手の全力を引き出せないのは指導者の責任。だからこそ選手の成長を感じると、心からうれしくなります」と目を細める。<br /> 今年、夏の甲子園は第100回記念大会を迎える。過去最多の56校が出場し、愛知からは2校が県代表として出場予定。愛知大会は6月30日に開会式を控える。県代表の座をかけて、どの高校も闘志を燃やしている。「私は高校球児だった頃に第80回、部の部長就任時に第90回、そして監督となって第100回という甲子園の節目に出合ってきました。この巡り合わせに感謝し、部一丸となって励みます」と言葉に力を込めた。<br /> 選手、OB、その家族をはじめとし、学校、地域などあらゆる周囲の支えを実感しているという野田監督。涙があふれるような感激も、眠れないほど悔しい経験も、すべてを力に変えて、大府高校の硬式野球部は甲子園を目指している。<br />文/杉浦萌

今年6月14日に行われた親善試合には、OBや保護者、学校関係者をはじめ、多くの報道陣もかけつけた。ベンチや応援席は、3年生控え選手の最後となる試合に声を振り絞って応援。全力で中京大学附属中京高校に挑んだ。また、レギュラー陣は控え選手たちの思いを受け取り、夏の甲子園を目指す

 グラウンドに立ち、試合に出場できる選手は9人。甲子園でベンチ入りできるメンバーは18人までだ。毎年、多くの3年生が背番号を手にすることなく高校野球生活を終える。
 18年前、そのような選手たちに花道を作りたいと大府高校の硬式野球部は、控え選手の3年生が主役となってプレーする親善試合を設けた。相手は中京大学附属中京高校の控え選手。毎年6月、選ばれた3年生は背番号が縫われたユニフォームを身にまといグラウンドに立つが、その後は部のため裏方に徹する。
 「部はレギュラーだけのものではありません。全員が全力で野球に向き合っています。達成感を味わい、勝利がすべてではないと、さまざまな思いを経験してほしいんです」と野田監督。大所帯であるため、親善試合にも出場できない控え選手がいる。毎年、試合前日の夜中までメンバー選考は難航するという。
 昨年秋の愛知県高等学校野球選手権大会、部は準々決勝で愛知産業大学三河高校と対戦。延長13回の末に攻めきれず、1対3で敗退した。精神面で粘り切れなかった悔しい試合だと野田監督は振り返る。
 しかしそれ以降、部員たちに変化が表れた。より勝利へこだわるようになり、1球1球を大切にするようになった。「忘れられない試合は数えきれません。選手が全力を出しきれない時ほど悔しいですし、選手の全力を引き出せないのは指導者の責任。だからこそ選手の成長を感じると、心からうれしくなります」と目を細める。
 今年、夏の甲子園は第100回記念大会を迎える。過去最多の56校が出場し、愛知からは2校が県代表として出場予定。愛知大会は6月30日に開会式を控える。県代表の座をかけて、どの高校も闘志を燃やしている。「私は高校球児だった頃に第80回、部の部長就任時に第90回、そして監督となって第100回という甲子園の節目に出合ってきました。この巡り合わせに感謝し、部一丸となって励みます」と言葉に力を込めた。
 選手、OB、その家族をはじめとし、学校、地域などあらゆる周囲の支えを実感しているという野田監督。涙があふれるような感激も、眠れないほど悔しい経験も、すべてを力に変えて、大府高校の硬式野球部は甲子園を目指している。
文/杉浦萌

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